あそびーのマガジン vol.72
福井市街の中央に位置するJR福井駅。ここから歩いて10分足らずのところに「足羽川」が流れています。
戦国武将「柴田勝家」の北の庄城・福井藩初代藩主「結城秀康」の福井城は、この足羽川の流れを堀の一部として利用し、福井市街は古くから足羽川周辺を中心に発達してきました。

その足羽川の堤防には桜並木があり、春になると堤防を覆い尽くすように大きく広がった枝いっぱいにきれいな桜の花が咲きます。
遠くから眺めたときのその桜並木が作り出すピンク色のボリュームと、桜並木の中を歩いたときの優しくて優美な雰囲気は、訪れる人を圧倒します。
春の足羽川は豪華絢爛(ごうかけんらん)な装いで、皆さんのお越しをお待ちしています。

足羽川からすぐのところにある「足羽山公園」も、公園内のいたるところに桜の木がある桜の名所。歴史・自然に関する見どころも数多くありますが、春の時期おすすめなのは「茶屋」での食事。「花より団子」といわんばかりに、田楽やおでんを楽しむ花見客で大変なにぎわいをみせます。

春の訪れを待つ3月。春の陽光に誘われながら、JR福井駅から「日本さくら名所100選」に選ばれている「足羽川桜並木・足羽山公園」へ散策に出かけてみませんか。


福井市街を東西に流れる足羽川。その堤防の上は桜並木になっており、春にはきれいな桜の花のトンネルになります。
桜の花が咲き始めると、そのトンネルを大勢の花見客が行き来し、桜が散り始めると、川原を吹き抜けていくひと風ごとに、文字どおり壮麗な桜吹雪が舞い上がります。

桜が咲く前の足羽川堤防は、行き来する人も少なくひっそりとしています。そして、遠くに福井市街の喧騒が聞こえ、眼下には足羽川が小さなせせらぎの音を立てながら流れている、のんびりとした風景を眺めることができます。 3月の半ばを過ぎると桜のつぼみが膨らみ出し、うっすらとピンク色の世界が作られ始めます。

※現在、福井市街の足羽川の一部では堤防の補強工事などが行われ、多少景観を損ねているところがあります。


 菜の花と桜のコントラスト
 堤防を包み込むように広がる桜

 のんびりと散策したい桜のトンネル

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足羽川にかかる「桜橋」から、足羽山へは歩いても数分のところ。
最寄りの足羽山への上り口は江戸の頃からある「愛宕(あたご)坂」といわれる道で、「足羽神社」への参道でもあります。
坂の途中には、「愛宕坂茶道美術館」や「橘曙覧(たちばなあけみ)記念文学館」、料亭などがあり、桜以外の春の花々もこの坂を彩るように咲いています。

橘曙覧記念文学館の横からは「横坂」と呼ばれる小路が延びています。道の途中では福井市街を見下ろすように展望が開け、遠くにはまだ雪を被って白く輝く白山などの山々が見えます。

横坂の突き当たりの小路は「百坂」。実際はその倍近くの石段がある急坂で、下から見上げると上る気が失せるくらい坂道です。

百坂のたもとには、大正モダンな外観の「福井市水道記念館」があります。一昔前までは、ここから足羽山の上まで水を上げて、そこから福井市街の各家庭へ水道水を供給していました。
今でも建物内には、山の上まで水を押し上げていたドイツ製の大きな黒いポンプが鎮座しています。
桜の頃は、建物が夜間ライトアップされ、テラスでミニコンサートが催されることもあります。

季節の花に彩られた愛宕坂
お散歩には絶好のコース

愛宕坂まで一気に上る百坂
夜にはライトアップされる
レトロな雰囲気の水道記念館
足羽山の上まで水を押し上げていた
ドイツ製のポンプ

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愛宕坂を上りきり、再び右手にある石段を上がると、程なく「足羽神社」に着きます。
足羽神社は、第26代天皇継体大王を祀る、1500年以上の歴史をもつ神社で、昨秋拝殿などが建て替えられました。
境内の中央には樹齢350年の大きな枝垂桜があり、心地よい春風にかすかに枝がなびく風情ある姿を見せてくれます。また、桜が散り始めると、枝垂桜の周りは桜色のじゅうたんを敷いたようになります。


散り始めた桜の花が辺りを桜色にしていきます
参道の坂道を上りきると
まず枝垂桜が目に飛び込んできます

高く大きく枝を広げている枝垂桜

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足羽神社からさらに進むと売店があります。これは「足羽山の茶屋」といわれる店で、奥には座敷があり、足羽山名物の「田楽」「おでん」などが味わえます。
足羽山にはこのような茶屋が10軒程度点在しており、暖かくなる桜の頃から店前に桟敷席を設ける店、手打ちの「越前おろしそば」を出す店、夜遅くまで夜桜と福井市街の夜景を楽しめる店、様々なスウィーツが味わえる店など、各茶屋によっていろいろな特徴・名物があります。
散策のときの食事や小休憩に、気軽に立寄られてはいかがでしょうか。

各茶屋それぞれに名物料理があります
天気が良ければ桟敷でゆっくり食事をしてください

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福井市では、この桜の時期にあわせて4月の一月間「ふくい春まつり」が実施されます。

4月11日(金)〜13日(日)には、メインイベントの一つ「おまつり広場えちぜん長寿さくら村」が足羽川の九十九橋から花月橋の間で催され、花見をする人、フクイのうまいもんを味わうため屋台の前に並ぶ人などで、大変なにぎわいをみせます。

また、4月12日(土)には「越前時代行列」が行われ、戦国時代に越前福井を治めた武将「柴田勝家」役に、今年は俳優の「筧利夫」氏を迎えます。
昼過ぎに福井県庁を出発する福井の歴史を彩った勇士たちの隊列は、福井市街を通って、おまつり広場えちぜん長寿さくら村までの約1.5kmを練り歩き、沿道は大勢の見物客で埋め尽くされます。

これに先駆けて、3月28日(金)からは「愛宕坂灯りの回廊」が行われます。日暮れの頃になると、笏谷石(しゃくだにいし)の階段に行灯が灯され、愛宕坂は温かで幻想的な雰囲気になります。
長い隊列が福井市街を練り歩きます

行灯に照らされると幻想的な雰囲気となる愛宕坂

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ふくい春まつり「越前時代行列」の主役である戦国武将「柴田勝家」は、織田信長が築いた安土城をしのぐ規模といわれる「北の庄城」を、足羽川のほとりに構えました。残念ながら、1583年に豊臣秀吉の軍勢に囲まれ、自ら城に火を放ち、妻「お市の方」とともに自刃したため、天守は残っていませんが、その城を支えていた石垣の一部が柴田神社の境内(北の庄城址公園)に残っています。
また、足羽山のふもとにある「西光寺」の境内の片隅には、勝家とお市の方の墓が、ひっそりと祀られています。

西光寺の近くには、幕末の頃、若くして福井藩を支えた志士「橋本左内」にちなむ「左内公園」があります。
この公園は、江戸中期の俳人「松尾芭蕉」が「奥の細道」の道中にこの辺りに住んでいた知人を訪ね、宿泊した場所でもあります。この知人の生活は、芭蕉に使わせる枕もなかったほど清貧だったため、近くの寺を建てているところから木っ端を拾ってきて枕にしたというエピソードが残っています。

柴田神社の祭神は戦国武将「柴田勝家」
福井市街の古刹の境内で
ひっそりと祀られている柴田勝家の墓

福井城址からさくら通りにかけてもきれいに咲く桜を楽しめ、フクイの歴史に触れることができます。
福井城は、江戸時代に福井藩初代藩主結城秀康(徳川家康の次男)が築いた城で、内堀の周りには桜の木が立ち並び、堀をぐるりと一回りできます。
近年、天守跡や石垣の上の散策路などが整備され、この春には上屋を有する「御廊下橋」(おろうかばし)が史実に基づき忠実に復元されます。 福井城址の北側にある道路は「さくら通り」と呼ばれ、東西に桜並木が延びています。ここの桜は、街中にあるためか、気象庁の開花宣言より数日早く花が咲くようです。
福井城址からさくら通りを渡ると、「福井市郷土歴史博物館」「養浩館庭園」があります。

福井城の石垣は桜の木に取り囲まれています
四季折々の草木を愛でることができる養浩館庭園

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歩き旅にはとってもお得な観光周遊バス「さくら号」

4月1日(火)から30日(水)までの「ふくい春まつり」期間中、毎日10:00から18:00までの間、30分間隔で運行される周遊バス。
500円の「1日フリーパス券」を利用すると、1日さくら号の乗降が自由なのはもちろんのこと、「橘曙覧記念文学館」「愛宕坂茶道美術館」「市自然史博物館」「市立郷土歴史博物館」「養浩館庭園」の入館が無料になります。
(1回のみの乗車の場合は200円、ただし無料入館の特典はなし)

運行ルート
JR福井駅(西口)柴田神社(北の庄城址公園)足羽山公園下(あじさいロード入口)足羽山(茶屋・市自然史博物館近く)愛宕坂(坂の上り口)九十九橋南詰福井大仏裁判所前市立郷土歴史博物館(養浩館庭園近く)福井城址JR福井駅

周遊バス「さくら号」のチケットは、バス車内、京福バスターミナルなどでお求めになれます。


桜の時期以外のアクセス

福井市街には気軽に利用できるコミュニティーバス「すまいる」が運行されています。
今回ご紹介のエリアへは、「西ルート:照手足羽方面」のバスをご利用し、「愛宕坂」「浜町」バス停で乗降すると便利です。
ただし、西ルートのバスは、福井駅前からルート左回り(反時計回り)のみの運行です。愛宕坂や浜町は福井駅前から比較的近い距離にありますが、ルートをぐるりと回りますので、20分くらいの乗車時間になります。ですので、行きにではなく帰りに利用された方が便利かもしれません。(運賃100円 ※乗車区間は問いません)

足羽山公園へは路面電車でも行くことができます。福井市と越前市とを結んでいる「福井鉄道」は、福井市街では路面電車となり、道路の真ん中を走っています。福井駅前から足羽山公園の最寄り駅「公園口」まではわずか2駅間ですが、「市役所前」で進行方向を変え、幸橋で足羽川を渡ってと、変化のある車窓を楽しめます。
(運賃:福井駅前・公園口間 180円)

 
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