あそびーのマガジン vol.64
戦国時代に思いを馳せる、一乗谷サイクリング

今年6月、一乗谷朝倉氏遺跡(いちじょうだに あさくらし いせき)から発掘された出土品2,343点が、国重要文化財の指定を受けました。
一乗谷朝倉氏遺跡は昭和46年に国特別史跡、遺跡内の四庭園は平成3年に国特別名勝の指定を受けており、今回の国重要文化財指定で、国の三重指定を受けたことになります。
三重の指定を受けることは大変まれなことで、全国では他に、京都の金閣寺・銀閣寺・醍醐寺があるのみです。
日本で唯一戦国城下町が残る一乗谷とは、どのようなところなのでしょうか。


中世まで越前(福井)の中心は、府中(越前市)にありました。
朝倉氏は、南北朝時代に越前を治めていた斯波高経に従って朝倉広景が入国。1467年から始まった応仁の乱での活躍をきっかけに、斯波氏や他の有力武将を追い払い、一乗谷初代朝倉孝景(たかかげ)が都を府中から一乗谷へ移し、この谷に居を構えました。
その後、朝倉氏五代103年もの間、戦国時代であったにもかかわらず一度も戦火に遭わなかった一乗谷は繁栄を極め、武家屋敷や町人の町家はこの谷から広がり、全国でも屈指の城下町となりました。
特に、文化的な武将として知られた五代当主朝倉義景(よしかげ)の時代には、戦乱で荒廃した京の都から大勢の公家たちが訪れ、茶道をはじめとした様々な貴族文化が花開き、北陸の小京都とも呼ばれるようになりました。
しかし、1573年、天下統一を目指す織田信長との戦いに敗れた朝倉氏は滅びました。
その時、信長の兵が放った火で一乗谷は三日三晩燃え続けたといわれています。
そして、その後この谷は二度と歴史の表舞台に出ることはなく、城下町は田畑へと変わり、静かな谷あいの集落となりました。


昭和40年代に入り、一乗谷で発掘調査が始まると、田畑の下には当時の城下町がそのままの姿で残っていることが分かりました。現在でも発掘・研究・保存などが行われ、発掘され続けている出土品は、今後さらに国重要文化財の指定を受ける可能性を秘めています。


今回は戦国城下町と伝説の残る滝を散策しながら、一乗谷をサイクリングします。

散策コースの見どころ紹介
福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館

一乗谷朝倉氏遺跡から発掘された数多くの出土品が展示されている資料館で、今回国の重要文化財の指定を受けた出土品も見ることができます。


展示の茶器には中国から輸入されたものもあり、当時の茶道文化の華やかさや、当主や一乗谷を訪れた公家らの贅沢な生活ぶりに触れることができます。
模型やパネル、出土品を通じて、栄華を極めた朝倉氏や一乗谷に暮らした人々の様子を知ることができます。

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館

西山光照寺

当時、一乗谷にあった40余りの寺の中で、一番大きかった寺。
現在、寺の跡形は残っていませんが、池跡のまわりに30以上の石仏が立ち並び、独特の雰囲気が漂っています 。

石仏

背丈ほどある石仏

石仏

静かにたたずむ石仏

下城戸跡

県道右手に見える高さ約5m土塁が、一乗谷入り口に設けられた城戸の跡。
この場所は、一乗谷の中で最も谷が狭いところで、外からの敵の侵入を防ぐ役割がありました。通行路の左右は巨石の壁になっていて、一番大きなもので45tもの石が組まれています。
「復原町並」の先には上城戸も残っており、この二つの城戸に挟まれたところが、朝倉氏の城下町として最もにぎわった一帯です。


ここから県道の右手には遊歩道が「復原町並」辺りまで続きます。
一乗谷川側には町人の町家や武家屋敷が、山側には多くの寺が建っていました。

一乗谷入り口

下城戸の土塁が一乗谷の入り口

巨石

門のような巨石

巨石の壁

威圧感ある下城戸の巨石の壁

一乗滝

一乗谷の一番奥にある、落差12mの一乗滝
剣豪・佐々木小次郎の修行場として知られ、秘術「つばめ返し」はここで編みだされたと伝えられています。
夏の暑い時期でも滝の周辺は体感気温が数度低く感じられ、心地よい風がそよいでいます。

佐々木小次郎

滝の入り口には佐々木小次郎のモニュメントが

一乗滝

清涼感あふれる滝

一乗滝

滝壺では水遊びする子どもたちも見られます

復原町並

一乗谷に建ちならんでいた武家屋敷や町人の町家の雰囲気を楽しむことができる場所。
当時の建物の場所で発掘された石垣や礎石、溝をそのまま使い、柱や壁、建具なども出土された遺物に基づき作られ、往年の街並みと雰囲気が忠実に再現されています。

復原町並

道幅や溝・塀の場所は
500年前とまったく同じ

復原町並

各屋敷をのぞくと当時の生活ぶりがわかります

復元模型

谷一面に広がる街並みの復原模型

館跡・庭園跡

この庭園跡にある「湯殿跡庭園」「諏訪館跡」「館跡庭園」、そして「南陽寺跡庭園」を加えた四庭園は国特別名勝に指定されています。


掘割を渡り、「唐門」をくぐると、五代目当主朝倉義景氏の館跡が広がっています。10数棟の建物があったといわれる館も、今は一面に礎石が残るのみ。
山際の「館跡庭園」の岩には東尋坊周辺の岩が使われ、遠く三國湊から舟で九頭竜川・足羽川をさかのぼって運ばせた当時の朝倉氏の繁栄を感じることができます。


唐門には二つの紋が刻まれています。
ひとつは朝倉氏「三ツ盛木瓜(みつもりもっこ)」の紋、もうひとつは豊臣家「五三の桐」の紋。
これは朝倉氏滅亡後、菩提を弔うため豊臣秀吉がこの門を寄進したからです。

館跡

館跡は土塁と掘割で三方を囲まれています

唐門の紋

唐門にある二つの紋

義景の墓

五代目義景の墓


館跡横の高台には、一乗谷で最も古いといわれる「湯殿跡庭園」があります。
回遊式林泉庭園で、屏風のように配された岩からは戦国武将の豪壮さが伝わってきます。


さらにその奥には、朝倉義景の妻が住んでいた「諏訪館跡」があり、庭園は一乗谷最大のもの。
滝を形づくる4mの巨石の横にはヤマモミジの古木があり、秋には風情ある景色となります。

庭

茶室から眺めることができた館跡庭園

館跡全景

礎石が残る館跡全景

庭

今なお優美さが残る庭

瓜割清水

当主の生活用や儀式用として使われていたといわれる湧き水。
いまも澄んだ水が湧き出ており、地元の生活用水として使われています。
夏でも、手が痛くなるほどの冷たさです。

清水

辺りの景色が映りこむ清水

清水

清水の温度は一年を通じて10℃くらい

散策MAP

地図をクリックするとPDF版の地図データをダウンロードできます。

散策MAP
移動のみ
約 14km
約 1時間10分
JR一乗谷駅

約0.3km

約4分

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館

約0.5km

約2分

西山光照寺跡

約1.4km

約7分

下城戸跡

約1.9km

約10分

上城戸跡

約3.1km

約18分

一乗滝

約3.7km

約15分

一乗谷朝倉氏遺跡復原町並
館跡・庭園跡

約1.0km

約4分

瓜割清水

約1.7km

約7分

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館

約0.3km

約4分

JR一乗谷駅

DATA & INFORMATION

レンタサイクル 福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館では、レンタサイクルの貸出しを行っています。
復原町並までは勾配も比較的緩やかですが、上城戸から一乗滝までは登り勾配が続きます。
今回紹介の散策コース沿いには大きな商店等はないので、飲み物・食べ物・帽子・日焼け止め等を、事前に準備することをお勧めします。


GPSナビゲーションシステム復原町並の入場受付で、気楽にガイドを聞きながら散策できる「GPSナビゲーションシステム」の貸し出しをしています。
散策コースや見どころを画面で表示し、各所では説明が流れます。
利用料は無料(保証金が必要。機器返却の際に返金。詳しくは受付でおたずねください)。


ボランティアガイド一乗谷朝倉氏遺跡の復原町並・館跡・庭園跡では、福井市歴史ボランティアグループ「語り部」や朝倉氏遺跡保存協会の方から説明を聞きながら散策するのもオススメです。


朝倉氏遺跡保存協会(TEL 0776-41-2330)
ガイド時間:1時間20分〜
ガイド料 :40名様まで4,000円
利用の際は、予約が必要です。
見学(散策)コースやガイドの内容など、要望に応じて細やかな対応をしてくれます。

レンタサイクルGPSナビゲーションシステム

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