あそびーのマガジン vol.58
冬のフクイ、古刹を巡るワンコインの旅

福井市街を南北に走るフェニックス通り(旧国道8号線)。かつては、今のこの道を縫うように、旧北国街道が近江から加賀へと伸びていました。
福井市街を流れる足羽川には天然の堀の役割があって、川の北側の旧北国街道周辺には、福井城をはじめ、武家屋敷・町人街がありました。一方、川の南側には寺町が形成され、いざという時には僧兵を配置し、町を防御する役目を担っていました。
今でも足羽山の東側一帯には、多くの神社仏閣があり、寺町の名残を感じることができます。

今回は、路面電車とコミュニティーバスに乗って、ワンコイン(500円)で寺町をぐるっと回ってみませんか。
初詣を済まされていない方、フクイのお寺や神社にお参りして、御利益、御利益!

散策コースの見どころ紹介
専照寺(中野本山)

フクイは「真宗王国」と言われるほど、真宗系の寺院・信徒が多い土地柄。
真宗には、「本願寺」「大谷」「高田」などのいろいろな宗派がありますが、この「専照寺」は、真宗十派の一つ「浄土真宗三門徒派」の本山です。
正応3年(1290)に如道上人が創建した寺とされ、現在地に移転したのは享保9年(1724)。
昭和23年の福井大震災で御影堂以外、全てが倒壊しましたが、門徒により再建されました。
総欅造りの御影堂は、平成2年に福井市指定文化財建造物の指定を受けています。
大きな山門も重厚感があり、見ごたえがあります。

朝日山不動寺

正徳元年(1711)、頻繁に起きる天災で人々が混乱していたところ、夢のおつげにより、朝日のあたる場所に「不動明王」を設置したのがこの寺のはじまり。
毎年2月3日の節分大祭の日には、線香の煙るお堂内で豆まきが行われ、大勢の人でにぎわいます。

旧北国街道沿いにある赤い大きな鳥居をくぐり、山へと続く坂道を行くと朝日山不動寺があります。
その道を進んで行くと、寺より先に目に付くのは、足羽山の断崖に広がる薄い青緑色の岩肌。それは、「笏谷(しゃくだに)石」と呼ばれる石がむき出しになっている岩盤です。

古来より、この足羽山では笏谷石の採掘が盛んに行われていました。凝灰岩の一種であるこの石は、柔らかいため加工がしやすく、江戸時代には北前船で佐渡・東北・北海道などへと運ばれ、神社の鳥居や城の石垣、敷石などに幅広く使われました。
水に濡れると更に青みを増して見えるということもあり、フクイでは今でも人気のある石です。
旧北国街道沿いの家並みにも敷石や門塀などに多用されていることが見てとれます。

毛矢黒龍神社(黒龍大明神)

26代継体天皇が、福井平野の治水を行なった際に、黒龍川(現在の九頭竜川)の守護神として二柱の御霊を黒龍村毛谷(現在の福井市舟橋)の社に祀ったのが黒龍神社のはじまり。
平安時代の頃、国家鎮護・産業興隆を祈願して、常陸(茨城県)の鹿島大明神、安芸(広島県)の厳島大明神、紀伊(和歌山県)の熊野大明神、そして、越前の黒龍大明神と、国土の東西南北に四神が祀られた、日本古来の四大明神の一つです。
承平(935)の頃、現在の場所に社殿が建てられたといわれています。

南隣には、南北朝時代の武将「新田義貞」を祀る「藤島神社」があります。

西光寺

戦国武将「柴田勝家」が北の庄に入城したとき建てられた寺。勝家とその妻「お市の方」の菩提寺です。
境内には、勝家とお市の墓をはじめ、勝家が愛でていたといわれている梅の木などがあります。

西光寺の境内には保育園があります。子どもたちが園外(境内)で遊んでいることもありますので、訪問する時間帯に気をつけてください。

福井駅前には、柴田勝家を祭神とする「柴田神社」もありますので、併せて訪ねてみてはいかがでしょうか。

足羽山、愛宕坂・横坂・百坂周辺

足羽山の百坂の麓には、旧足羽揚水ポンプ場(福井市水道記念館)があります。大正13年頃の完成といわれる建物は、洋館風のモダンな外観。建物内には黒い大きなドイツ製のポンプがあります。

百坂は、文字どおり百段はあるような急な坂道。雪があるときは無理をせず、坂の途中から右に延びている横坂へ。この坂からは、福井市街が一望できます。

横坂を歩き終えると、愛宕坂に出ます。そこにあるのは、「愛宕坂茶道美術館」と「橘曙覧記念文学館」。
愛宕坂茶道美術館では、戦国時代から江戸時代にかけて発展した福井の茶道の歴史・文化を知ることができます。時間があれば、お茶を飲むこともできます。
橘曙覧記念文学館では、アメリカの前クリントン大統領が演説で引用した歌人「橘曙覧」の独楽吟に触れることができます。全国から投稿された独楽吟の展示もあり、ほほえましい作品を目にすると、たいへん心が和みます。ここの展望室からは、天気がいいと、加越国境や奥越の山々をはじめ、白山も望むことができます。

ちなみに、愛宕坂・横坂・百坂に敷かれている石は「笏谷石」です。

愛宕坂周辺の散策の紹介は、こちらから


移動のみ
約 60 分

寺社等の見学は1ヶ所につき10〜20分程度

JR福井駅

約0.2km

約3分

福井鉄道:福井駅前電停

 

約14分

福井鉄道:福井新駅

約0.5km

約7分

専照寺(中野本山)

約0.8km

約11分

朝日山不動寺

約0.5km

約7分

毛矢黒龍神社(黒龍大明神)

約0.3km

約4分

西光寺

約0.3km

約4分

足羽山愛宕坂周辺

約0.1km

約2分

すまいるバス:愛宕坂

 

約8分

すまいるバス:駅前商店街バス停
DATA & INFORMATION

「ワンコインの旅」の予算

 ・

福井鉄道乗車 (福井駅前電停〜福井新駅)

180円(子ども90円)

 ・

橘曙覧記念文学館入館料

100円(中学生以下無料)

 ・

愛宕坂茶道美術館入館料

100円(中学生以下無料)

 ・

すまいるバス乗車(愛宕坂〜駅前商店街)

100円(子ども100円)

※立寄る4つの神社・お寺のおさい銭は「いいことにご縁(5円)がありますように」で、5円×4ヶ所
このように、500円玉1枚でも、小さな旅を楽しむことができます。


福井鉄道 今回は、駅前商店街にある電停(福井駅前)から、路面の区間を乗車。
発車して間もなく、福井市役所前電停で進行方向が変わり、足羽川では仮設橋をソロリソロリと進みます。
新木田交差点で車体を大きく揺らして左へ右へと曲がり、JRの貨物駅「南福井駅」横にある福井新駅で下車します。
時刻表など、詳しくはこちらから

福井駅前に停車中の福井鉄道の低床車


すまいるバス南ルート(照手・足羽方面) 先月号でも取上げた、小さくてかわいい「すまいるバス」。
今回は、福井市街の南側を走る緑色のバスにご乗車ください。
運賃はどこまで乗っても100円。(大人・小人同額/未就学児は1人目無料/前払い方式)
※バスは一方向のみの運行です。
 (南ルートの場合、バスは反時計回りで走ります。逆回りの運行はありません。) 
時刻表など、詳しくはこちらから

もどる