あそびーのマガジン vol.56
国鉄三国線跡を往く

≪国鉄三国線の説明≫
北前船でにぎわっていた三国の町は、明治30年に開通した北陸本線のルートからはずれてしまいました。物流の主役が海運から鉄道へと移っていった時代、三国の町も御多分にもれず、その流れに翻弄されていきます。
その危機を打開しようと、地元の熱心な鉄道敷設運動の末、明治44年、金津駅(現在のJR芦原温泉駅)〜三国駅間(後に三国港駅まで延伸)に開通したのが、国鉄三国線です。

沿線は、あわら温泉や海水浴場、東尋坊といった観光地に恵まれ、一時期は大変にぎわいましたが、戦時下の昭和19年、昭和4年に開業した三国芦原電鉄(後の京福電鉄三国芦原線、現在のえちぜん鉄道三国芦原線)と一部区間が並走していること、また、不要不急路線(観光や参拝を目的とした路線)廃止の方針により、やむなく運休となり、線路は軍用鉄材として供出されてしまいました。
ただし、三国駅〜三国港駅間は京福電鉄に貸与され、電化した後、福井から京福電鉄の電車が乗り入れることになりました。(このとき、京福電鉄の三国駅〜東尋坊口駅間は、観光を目的とした不要不急路線であったため、廃線となっています。)

戦後は、昭和21年に金津駅〜芦原駅(当時の京福電鉄、現在のえちぜん鉄道あわら湯のまち駅に併設していた)間が復活し、一部の列車は、京福電鉄に乗り入れ、三国港まで走った頃もありました。
昭和40年代に入り、この国鉄三国線も全国の多くのローカル線と同じく、モータリゼーションの変化を受け、旅客数が激減、昭和47年に惜しまれつつも廃線となりました。

今回は、この国鉄三国線の面影をたどりながら、サイクリングの旅に出かけてみませんか。


※注意すること
  廃線跡散策の際には、JRやえちぜん鉄道の敷地内への立ち入りをしないでください。
  また線路や線路跡周辺の民家や田畑への立ち入りもしないでください。

散策コースの見どころ紹介
地点:JR芦原温泉駅

1・2番ホームの西側、跨線橋上り口前にあるキオスクの後ろには、国鉄三国線のホームがひっそりと残っています。(写真左側のホーム)

地点 JR芦原温泉駅
地点:JR芦原温泉駅北側の陸橋

ここからJR芦原温泉駅方面を見下ろすと、北陸本線から西へ分岐する国鉄三国線の築堤を見ることができます。線路は、JR芦原温泉駅の国鉄三国線のホームから延びて、小川の手前まで残っています。
その線路と平行して、途中に2つ車庫がある線路は、昔のセメント会社の引込み線。この線路は、保線用車や冬期のラッセル車の留置線として使われることもあるそうです。

この築堤を道路にする計画があるそうなので、なるべく早い時期の訪問をオススメします。

地点 JR芦原温泉駅北側の陸橋
地点:千束トンネル

線路跡は2車線の道路となり、緩やかな坂を上りきったところに千束トンネルはあります。
国鉄三国線廃線後に改修され、鉄道の頃の面影はありません。
ここからえちぜん鉄道三国駅の手前まで、線路跡は街路樹が立ち並ぶ一直線の道路になっています。

千束トンネルの上を通る道は旧北陸道です。すぐそばには大きな榎(えのき)の木の一里塚が、昔のままの姿で残っています。

地点 千束トンネル
地点:えちぜん鉄道三国駅手前の踏切

えちぜん鉄道三国駅手前の踏切周辺には、見どころが多く残されています。
ここから三国駅方面を望むと、線路が右へクランクしているのがわかります。ここは、昭和19年まで京福電鉄と国鉄三国線が並走していました。そして、国鉄三国線が運休となり、三国駅〜三国港駅間を京福電鉄に貸与したとき、京福電鉄の線路が国鉄三国線の線路に乗り入れたところです。
貸与を受け、三国駅〜東尋坊口駅を廃止とした京福電鉄の線路跡は、現在の線路の左側にある草生した築堤です。

また、踏切から少し三国駅側に行くと、小さな排水路があり、現在のえちぜん鉄道の線路の横に当時の京福電鉄の線路がかかっていた橋台が残っています。

さらに、三国駅の少し手前には、国鉄三国駅のホーム跡が残っています。(国鉄三国駅は、その後京福電鉄三国駅として使用され、昭和57年にできた現駅舎は、その駅の場所より少し西の方に建てられました。)

地点 えちぜん鉄道三国駅手前の踏切
地点:国鉄三国線と三国芦原電鉄とのオーバークロス

えちぜん鉄道三国駅前から三国港駅方向へ進むと、じきに踏切を渡ります。その踏切の両脇にある3つのコンクリートの塊が、三国芦原電鉄(後の京福電鉄)の線路跡です。
当時の三国芦原電鉄や京福電鉄の電車は、三国駅を出たあと、徐々に築堤を上がり、ここで国鉄三国線を跨いで、宿駅、東尋坊口駅へと延びていました。
戦時下の昭和19年、京福電鉄は国鉄三国線の三国駅〜三国港駅の貸与を受けるとき、自社のこの区間、三国駅〜東尋坊口駅を廃止にしています。

地点 三国線と京福電鉄のオーバークロス
地点:眼鏡橋と三国港駅

えちぜん鉄道三国港駅手前でくぐるレンガ積みの橋は、眼鏡橋と呼ばれ、地元で親しまれています。
「ねじりまんぽ」と呼ばれる工法で作られたこの橋は、レンガがうねるように積まれていて、迫力を感じる、重厚な造りです。
現在のえちぜん鉄道の終点三国港駅は、かつての国鉄三国線の終点でもありました。
往時の写真と見比べてみると、石炭積込み用の線路は残っていませんが、駅舎前の3本の線路は、開業当時のままであることがよく分かります。
駅前にある三国港では、冬場、越前がにの水揚げでにぎわっており、セリ場には大漁旗が飾られています。

地点 眼鏡橋と三国港駅

自転車の場合

片道
約 10.5 km
約 45 分

(休憩含まず)

JR 芦原温泉駅(東口)

約3.0km

約12分

あわら署前

約1.7km

約7分

えちぜん鉄道 あわら湯のまち駅

約2.1km

約9分

えちぜん鉄道 水居駅

約1.5km

約6分

えちぜん鉄道 三国神社駅

約0.9km

約4分

えちぜん鉄道 三国駅

約1.3km

約6分

えちぜん鉄道 三国港駅

写真をクリックすると別ウインドウで見どころを見ることが出来ます。

廃線跡を辿る 資料を見る

廃線跡を辿る

資料を見る

取材協力:

みくに龍翔館・三国ボランティア観光ガイド「きたまえ三国」

資料提供:

みくに龍翔館・福井県立歴史博物館

参考文献:

第23回特別展「坂井の鐵道博覧展」(みくに龍翔館)

DATA & INFORMATION
国鉄三国線に関する略史

明治30年(1897) 9月

国鉄北陸線:福井〜小松、開業

明治44年(1911)12月

国鉄三国線、開業

大正 2年(1913) 1月

国鉄三国線:三国港まで1.1km延伸、三国港荷扱い所設置

大正 3年(1914) 7月

国鉄三国線:三国港が停車場に昇格、旅客扱い開始

昭和 4年(1929) 1月

三国芦原電鉄:福井口〜電車三国、開業

昭和 7年(1932) 5月

三国芦原電鉄:電車三国〜東尋坊口、開業

昭和17年(1942) 8月

京福電鉄:三国芦原電鉄を吸収合併

昭和19年(1944) 1月

京福電鉄:電車三国〜東尋坊口、運輸営業休止

昭和19年(1944)10月

京福電鉄:三国〜三国港(国鉄三国線)、免許取得・営業開始

昭和19年(1944)10月

国鉄三国線:営業休止

昭和21年(1946) 8月

国鉄三国線:金津〜芦原、営業再開

昭和47年(1972) 3月

国鉄三国線:廃止

昭和47年(1972) 3月

国鉄金津駅、芦原温泉駅に改称


レンタサイクル えちぜん鉄道では、無料でレンタサイクルを貸出しています。
設置駅:あわら湯のまち駅・三国駅等

また、三国湊町にある三國湊座でもレンタサイクルを貸出しています。(有料)

三国湊町散策 サイクリングのついでに、三国湊町を散策してみてはいかがですか。
完熟果物や野菜を使ったおいしいジェラート屋や三国名物酒まんじゅう屋もありますよ。
散策の情報は、三國湊座・三国町家館でゲット!
オススメ散策コース

温泉で汗を流してきれいさっぱり あわら温泉には「セントピアあわら」、三国には「三国温泉ゆあぽ〜と」という公共温泉施設があります。
あわら温泉では、「湯めぐり手形」を使うと、温泉旅館の温泉にも浸かることができます。
サイクリングで疲れた体を温めてください。

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